杉村歯科通信 第57号
タバコと歯周病について
『百害あって一利もなし』と言われているように、タバコが体に悪いということはよく知られています。実際、タバコを一本吸うとなんと寿命が5分30秒短くなるそうです。今回はそんなタバコと歯周病の関連について考えてみましょう。
『タバコを吸うと歯周病に罹患する』と言うものではありませんが、歯周病の進行に大きな影響を与える一つの因子です。タバコの煙には、四千種類以上もの化学物質が含まれ、このうち六十種類には発がん性があります。主なものとしてタール、ニコチン、一酸化炭素の3つが知られています。この危険因子が歯周組織に与える悪影響の主な作用は4つあります。一つ目はニコチンの血管収縮作用です。歯茎への血液の流れを悪くして、酸素や栄養を欠乏させたり老廃物の除去がうまくいかないようにしてしまいます。二つ目は歯茎の繊維化作用です。歯茎が繊維化することによって、出血などの典型的な歯周病の症状が出にくくなり、気づかないまま手遅れになりやすくなります。三つ目は白血球の機能の抑制です。喫煙によって細菌と戦ってくれる白血球の機能が50%も減少してしまいます。最後は歯茎の修復機能に対する悪影響です。歯周病の治療に必要な繊維芽細胞の働きを抑え、治療に対する反応を悪くします。又、歯や歯石の表面に黒いヤニが付着したり、歯茎が黒くなったりと見た目にも影響します。さらにセメント質への結合が強いので、歯石を除去してキレイな歯の面を出してもすぐ台無しになってしまいます。すぐにやめられるものであればいいのですが、ニコチンがタバコに対する強い依存症を作り上げ、人々を中毒に陥れていきます。
疫学調査によると10年間で失う歯の数が、タバコを吸わない人に比べて約3倍という報告もあります。その結果、抜歯後の傷口の回復、歯周病の治療の治り具合、インプラントの手術後の成績が落ちるなどのあらゆる歯科の処置に悪い影響を及ぼしてしまします。禁煙をすれば危険度は減少し、個人差はありますが1~4年で改善していきます。たとえ禁煙に失敗してもあきらめずにトライして下さい。蓄積本数は少ない方が相対的に歯周病の悪化がしにくくなるからです。
お店などを紹介する「何処?そこ!いってみたい(隊)」では、熊本市本荘町にある『磯鷸之庄(いそしぎのしょう)』さんをご紹介。 |