杉村歯科通信 第69号
一本のむし歯の治療に何回もかかるのはなぜ?
右のむし歯の治療は1回で終わったのに、左のむし歯は一ヶ月以上も歯科に通った!なんて経験ありませんか?同じように思えてじつは、虫歯の大きさ・症状によって治療内容は変わりますので回数も違ってきます。今回は、なぜ一本のむし歯の治療に何回も通う必要があるのかをお話します。
小さなむし歯はよく知られているように悪い部分を取って詰めて終わりなので、1~2回程度で済みます。しかしむし歯が大きくて中の神経まで進んでいる場合は根の治療が必要になります。この根の治療が治療の回数が多くなる主な原因です。根の治療は中の菌を殺菌消毒する為に何度も薬の交換が必要になります。痛みが取れたからもう詰めて終わってもいいのでは?と考える方も少なくありませんが、根の治療は感染症であり、感染症の治療は感染した細菌との戦いです。細菌がほとんどなくなって患者さんの体力で細菌の増殖を抑えられるまでは次の段階に進めないので、どうしても回数がかかってしまうのです。
二つ目の主な原因に保険のルールで回数等が決められているものが多いという点があげられます。特に質問が多い歯石取りも原則的に2回に分けるよう決められています。では歯ぐきの治療はしないでむし歯の治療だけして下さいとおっしゃる方もいらっしゃいますが、小さなむし歯の場合は大丈夫なのですが、大きなむし歯で最終的にかぶせ物をする場合、これも保険のルールにより歯ぐきの治療が終わってからかぶせ物をするようほぼ強制的に決められているのです。
ここまでのお話だと、保険の決まり事が悪いように聞こえますが、保険もきちんとした理由に沿ってルールを決めています。かぶせ物の件も歯ぐきの治療をせずに行うと、歯ぐきや歯の清潔な環境が出来てない状態ですので治癒する可能性も低くなりますし、むし歯の再発、歯周病等で歯が悪くなる可能性もぐんと上がります。また、かぶせ物を作ると二年間は保険で作り直しができない仕組みになっています。全てはむし歯・歯周病ができるだけ再発しないようしっかり治療するために、きちんと考えられたルールなのです。
このように、歯科の治療は歯の健康に最善の形をとって治療していくのでむし歯や歯周病の症状がひどいほど、きちんとした治療が必要になり回数がかかるのです。そうした意味でも、やはりいちばんは日頃から定期健診で検査と歯のクリーニングを受けることが大切です。
当院では治療の前にきちんと説明を行い、なるべく患者さんの意見も取り入れながら最良の治療をするよう心がけています。しかし、その中でも不安や疑問に思われることも多々あると思います。
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